HERDSA/Teikyo Collaboration Project 2017 開催いたしました。

本プロジェクトは、オーストララシア(オーストラレーシア)のFD組織であるHERDSA(Higher Education Research & Development Society of Australasia)と帝京大学高等教育開発センターによる、FD活動の国際化とネットワーク化を推進する共同プロジェクトです。講師として、HERDSA関係者を招聘し、2編のワークショップと国際シンポジウムを開催いたしました。

Workshop1 主体的な学びのための学習デザイン


(学習者中心のアプローチによる主体的学びのための学習デザインをテーマとして学ぶ。教育機関でのキャリアが数年未満の教職員対象)

WS1では「主体的な学びのための学習デザイン」をテーマに、12時間(4セッション×3時間)にわたるワークショップが開催され、Allan氏、Kathryn氏、および14名の参加者によって活発な意見交換と活動が行われました。第1セッションは、自己紹介とアイスブレークからはじまり、授業を設計するうえで必要な要素についての学習が展開されていきました。第2セッションでは、授業内の学習と授業外の学習の役割と留意点について議論を行われました。第3セッションでは、学生の学習を測る手法について検討がなされました。最終セッションでは『自身にとってTeachingとは何か?』という題でそれぞれがメタファーを書き、また自身の授業を改善するために今後どのようなアプローチを考えるようになったのかお互いに発表した後に、講師の方々より総括が行われ、本ワークショップが締めくくられました。

Workshop2 卓越したアカデミック・デベロップメント・サービスを提供するために

(アカデミック・デベロッパ―(AD)として、大学教員のキャリア形成を支援するためのサービスのデザインとデリバリーに関する考え方と方法のエッセンスを学ぶ。おもに大学等でFDを担当する教職員を対象)

WS2では、「アカデミック・デベロッパー(Academic Developer)」として、大学・教員組織をどのように支援していくことができるかについて、幅広い観点から議論が行われ、また実践の共有と開発が行われました。教育活動のみならず、大学における様々な活動(研究活動など)を支援することができるために、アカデミック・デベロッパーは様々な能力や、役割の発揮が求められます。WS2では、実際にどのような役割が求められるかなどの確認が行われました。2日目以降の後半では、ワークショップをはじめとする支援活動を実際にデザインし、提供していくための手順や方法、あるいは評価のあり方などについて、実際にその場でワークショップをデザインしながら学習が進められました。

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国際シンポジウム『優れた大学を目ざして ~Building a Strong Academy~』

「優れた大学」をキーワードに、大学の役割、教員の役割、そしてFDセンターの役割などについて多様な研究や実践をもとにした講演およびディスカッションが行われました。

はじめに、本学冲永佳史理事長・学長より開会の挨拶があり、今回3回目を迎える高等教育開発センターと海外FD組織との国際コラボレーションプロジェクトに対する期待などが述べられました。

冲永佳史 帝京大学理事長・学長 講演テーマ:『優れた大学とは何か~帝京大学の挑戦~』

はじめに、昨年50周年を迎えた帝京大学において、今後めざすべき方向性について建学の精神や教育理念にもとづいた紹介が行われました。次に、実質的な教育の質保証システムの構築をめざした全学的なFDネットワークの形成、高等教育開発センター内に設置されたIR推進室によるデータにもとづく教育改善活動の推進、教員による授業改善活動をSoTL(Scholarship of Teaching and Learning)として研究活動にまで高めることなどへの期待が述べられました。最後に、学生が自身の成長の軌跡や伸び代を実感できることが、帝京大学のめざす「優れた大学」像であるとして講演を締めくくられました。

吉武博通 公立大学法人首都大学東京 理事 講演テーマ:『優れた大学を目指して 〜Building a Strong Academy〜』

現在の高等教育を取り巻く環境や大学教育改革に関する現状などについてデータをもとに説明があり、その中で、大学はより良い方向に向かっているのだろうかという問題提起が行われました。そしてIRやKPI(=見える化)による大学機能の高度化、リーダーシップを育む組織文化の醸成、多様性(ダイバーシティ)の尊重こそが、これからの時代において優れた大学となるべく、その指標として重要であることが指摘されました。

 

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写真左:冲永佳史氏 右:吉武博道氏
 

Dr. Kathryn Sutherland ヴィクトリア大学アカデミック・デベロップメント・センター

講演テーマ:The 40-40-20 ‘myth’ meets the 24/7 ‘reality’: The challenges and needs of early career academics

冒頭、新任教員がどのように感じているか、彼らの感想によって構成された詩を用いて、キャリア形成に不安を抱いている大学教員の現状が紹介されました。続いて新任教員に対して行った役割に関する国際調査より、リサーチ40%、教育40%、社会サービス20%という「神話」は、各国で概ね同じような結果であったことが報告されました。そして、大学教員としての「成功」における主観的要素には、生活の満足度、自由、社会への貢献や学生への影響などがあることについて紹介があり、新任教員に対する先輩教員や同僚、上司からの強い支持とパートナーシップが重要であることも述べられました。

Dr. Shelda Debowski 元HERDSA会長 講演テーマ:Building a strong academy: A partnership model for success

前半の講演をもとに、大学教員として成功するプロセスは複雑でダイナミックであり、新しい役割やそれに関わる課題などが山積しているため、戦略とアイデンティティの絶え間ない検証が必要であることが指摘されました。その上で、キャリアマネジメントモデル(Debowski、2017)が紹介され、大学教員、教育・研究におけるリーダー、組織のフレームワークやポリシー、アカデミック・デベロッパー、それぞれが有機的に機能することが優れた大学をめざす上で重要であることが指摘され締めくくられました。

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写真左:Kathryn Sutherland氏 右:Shelda Dwbowski氏
 

第二部では、井上史子 帝京大学高等教育開発センター長の司会により、吉武博通氏、Dr. Allan Goody(現HERDSA/ICED会長)、Dr. Barbara Kensington-Miller(オークランド大学アカデミック・ディベロップメントグループリーダー)に登壇いただき、第一部での講演に対する質疑応答や会場を交えた意見交換が活発に行われました。

 

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写真左上:Allan Goody氏(左)Barbara Kensington-Miller氏(右)


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